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2024年情報一覧

令和6年11月25日(月)~28日(木)、京都テルサで開催されたInternational Symposium on Fiber Science and Technology 2024 (ISF2024)において、博士課程工学専攻2年の靖宇馨さん(指導教員:奥崎秀典 教授)が優秀ポスター発表賞を受賞しました。本賞は、繊維高分子科学ならびに繊維学会の発展に資する優れたポスター発表を行った若手研究者に与えられます。

 

受賞題目は『Highly Conductive Self-doped Poly(3,4-ethylenedioxythiophene) Fibers Fabricated by One-step Wet-spinning』で、可溶性自己ドープ型導電性高分子を湿式紡糸することでマイクロファイバーを作製し、高分子鎖を配向させることで電気伝導度と力学特性の両方を向上させることに成功しました。ポスター発表と質疑応答、研究の新規性や成果のインパクトが評価されての受賞となりました。

 

受賞した靖宇馨さんは、「この度はISF2024優秀ポスター発表賞という名誉ある賞をいただき大変光栄です。指導教員である奥崎教授をはじめ、共に研究を進め切磋琢磨してきた研究室のメンバーに深く感謝しています。この賞を励みとして今後はより一層の努力を重ね、研究に取り組んでいきます。」とコメントしています。

受賞した靖宇馨さん

賞状

令和6年11月6日(水)~8日(金)に長野県諏訪市で開催された第35回クロマトグラフィー科学会議において、応用化学コース修士2年の増田優さんが学生優秀発表賞を受賞しました。この賞はクロマトグラフィ―に関する学生の発表のうち優秀な発表に贈られるものです。

 

指導教員: 植田郁生 工学部応用化学科 准教授

受賞テーマ: 「針型濃縮デバイスを用いる製剤中の残留溶媒のスクリーニング分析」

研究内容: 製剤中に含まれる可能性がある微量の残留溶媒成分を針型濃縮デバイスを用いて簡便かつ迅速に濃縮してガスクロマトグラフィー分析する新規な分析法の開発。

コメント: この度は優秀発表賞を受賞することができ、大変光栄に思います。指導教員の植田先生をはじめ、共同研究者の先輩や研究室メンバーに深く御礼申し上げます。この受賞を励みに、今後も研究活動に精進していきたいと思います。

 

受賞した増田優さん (中央)

 

授賞式の様子

 科学分野で影響度の高い科学者を特定する研究者リスト「標準化された引用指標に基づく科学者データベース」が2024年9月17日付で更新・公開(スタンフォード大学(米国)とエルゼビア社が作成)され、応用化学コースの奥崎教授、和田教授が「生涯(career-long)」区分と「単年(single recent year)」区分の両方でランクインしました。

 

本学HP:https://www.yamanashi.ac.jp/50527

奥崎研究室HP:https://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~okuzaki/okuzaki.html

和田研究室HP:https://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~swada/lab/index.html

 

参考
Ioannidis, John P.A. (2024), “August 2024 data-update for “Updated science-wide author databases of standardized citation indicators”, Elsevier Data Repository, V7, doi: 10.17632/btchxktzyw.7

 

※本リストはエルゼビア社のScopus情報に基づき、22の科学分野と174のサブ分野において、5編以上の論文を発表している世界中の研究者を分析対象として実施されています。被引用に関する指標を組み合わせた複合指標により評価され、その指標値が高い被引用傾向として設定された「サブ分野での上位2%を示す」などの条件に該当する研究者がリストアップされています。分析は、被引用数の対象期間の違いにより、「生涯」および「単年」区分に分けて実施されています。

 

応用化学コース 佐藤玄 特任助教と東京大学、大阪大学らの共同研究成果が JACS Au 誌の表紙に採択されました。本研究では、retigerane 型セスタテルペンの生合成機構の全容解明に成功し、初期配座による高度な反応制御機構を明らかにしました。

天然物の複雑な構造は、酵素内部で多段階連続反応によって生合成されるため、実験的に詳細な解析を行うことは難しく、未だ多くの謎が残されています。今回、本研究グループが最近開発した「逆生合成理論解析」という手法を用いて、テルペン系天然物である retigeranin の難解な生合成経路の全容を解明し、長年の謎であった立体化学の反転の仕組みや多環骨格が組み上がる生合成経路が初期配座によって高度に制御されていることなどを理論的に明らかにしました。本研究・本手法が契機となり、酵素編集などを通じて新規・人工天然物の創出や生合成機構研究の加速が期待されます。

【掲載誌】JACS Au

【論文タイトル】DFT Study on Retigerane-type Sesterterpenoid Biosynthesis: Initial Conformation of GFPP Regulates Biosynthetic Pathway, Ring-construction Order and Stereochemistry

【著者】Yuichiro Watanabe, Takahiro Hashishin, Hajime Sato,* Taro Matsuyama, Masaya Nakajima, Jun-ichi Haruta, Masanobu Uchiyama*

【doi】10.1021/jacsau.4c00313

高大化学系教員懇談会

7月27日(土)、甲府キャンパス大村記念ホールにおいて高大化学系教員懇談会を開催しました。県内高校の化学系教員11名と本学応用化学コース、クリーンエネルギー化学コース、及び関連センターの教員15名の26名が参加しました。話題は、本年度に行った工学部改組と新設されたクリーンエネルギー化学コースや総合工学コースとその入試の他、8月3日(土)に開催予定のオープンキャンパスと一日体験化学教室の紹介に加え、大学授業への接続など多岐にわたり、様々な情報交換・意見交換が行われて有意義な懇談会となりました。

化学グランプリ2024 一次選考会

7月15日(月・祝)に本学甲府キャンパスにて「化学グランプリ2024」(一次選考山梨会場)を実施しました。化学グランプリは、全国の高校生以下の皆さんの化学の実力を競う大会として、1999年から毎年海の日に一次選考が実施されています。今年度も昨年度に引き続き全国66箇所の会場で3000名を超える参加者がありました。山梨県では、県内の高校生73名が本学甲府キャンパスに集結し、緊張感に包まれた中、真剣に問題を解いていました。全国からの成績優秀者上位80名が8月下旬に開催される実験を伴う二次試験へ進み、総合得点上位から大賞・金賞・銀賞・銅賞が授与されます。この大会は国際化学オリンピックの代表候補選抜も兼ねていて、数名が候補者として選抜されます。山梨県内の高校生からも国際化学オリンピックへ出場する高校生が出ることを願っています。

 

化学グランプリHP

https://gp.csj.jp/next/

応用化学コース 佐藤玄 特任助教の論文が Chem. Pharm. Bull. 誌にFeatured Articleとして掲載されました。Featured Articleは、CPB 編集委員会において、独創性、科学的貢献度、方法、論文構成、表現等を基準に、特に優れた論文として選定されるものです。また、本論文は Chem. Pharm. Bull. 誌の表紙にも採用されました。

近年、計算化学を用いた天然物の生合成に関する研究が精力的に進められており、複雑な生物学的プロセスの理解に大きな進歩をもたらしています。本論文では、特にテルペン化合物に焦点を当て、佐藤玄特任助教らが行った数多くの研究を詳細に概観しています。これらの研究は、天然物の生合成に関する基礎的知識に貢献するだけでなく、創薬、農業、バイオテクノロジーへの応用の可能性も秘めています。これらの研究から得られた知見は、急速に発展するこの分野における今後の研究に道を開くものです。

 

【掲載誌】Chemical and Pharmaceutical Bulletin

【論文タイトル】Theoretical Study of Natural Product Biosynthesis Using Computational Chemistry

【著者】Hajime Sato*

【doi】10.1248/cpb.c24-00082

応用化学コース佐藤玄特任助教と新潟大学大学院自然科学研究科生物有機化学分野の阿部透博士研究員(現・大学院医歯学総合研究科助教)、自然科学系(農学部)の上田大次郎助教、佐藤努教授、自然科学系(工学部)の阿部貴志教授、北海道大学大学院先端生命科学研究院の谷口透准教授らの共同研究成果が英国科学誌「Chemical Science」のオンライン版にHot article(注目論文)として掲載されました。

本研究では、立体構造モデルの類似性を基にした酵素探索を行い、従来の探索方法では発見できない新しいタイプのテルペン合成酵素を様々な生物種(細菌・真菌・植物・原生生物)のゲノム情報から効率よく発見することに成功しました。本研究は新しいタイプのテルペン合成酵素とテルペン類の探索のブレイクスルーとなる成果です。

 

様々な生物のゲノムに隠されていた新しいタイプのテルペン合成酵素を発見~新規テルペン類の大量発掘に期待~(PDF:0.7MB)

【掲載誌】Chemical Science

【論文タイトル】Structural-model-based genome mining can efficiently discover novel non-canonical terpene synthases hidden in genomes of diverse species

【著者】Tohru Abe, Haruna Shiratori, Kosuke Kashiwazaki, Kazuma Hiasa, Daijiro Ueda, Tohru Taniguchi, Hajime Sato, Takashi Abe and Tsutomu Sato

【doi】10.1039/D4SC01381F

応用化学科では、受験生の皆様が入学後の学生生活に関してイメージを膨らませられるよう、令和6年6月8日(土)に行う3年次編入学試験終了後に、「研究室・実験室見学ツアー」を企画しています。

参加を希望する受験生は、各自の試験後に所定の教室にお集まりいただき、定刻になりましたら教員案内のもと、1~2つの研究室と本学科の学部3年生が学生実験で使用する化学実験室を見学していただきます。本ツアーの所要時間は30~40分程度を予定しており、試験当日はツアーに参加しても全てのスケジュールを12:30より前に終了する予定です。

見学ツアーへの参加は自由であり、入試の合否に影響はありません。参加希望者は試験当日に確認を行いますので、事前に申し込みをしていただく必要はありません。興味がありましたら是非ご参加ください。

令和6年3月28日(木)〜31日(日)、パシフィコ横浜で開催された日本薬学会第144年会において、修士課程1年の弦間麟太郎さんが学生優秀発表賞を受賞しました。本賞は、薬学分野の発展に資する優れた講演を行った学生に贈られるものです。(学年は令和6年3月現在)

修士課程工学専攻応用化学コース1年 弦間麟太郎さん

指導教員:佐藤玄 工学部応用化学科 特任助教

受賞テーマ:「実験と機械学習の組み合わせによるリグニンの光分解反応の予測」

研究内容:DFT計算は計算コストが高く、多数の化合物の反応エネルギーを現実的な時間内で調べるのは難しい。本研究では、実験結果とDFT計算結果を用いた機械学習により、短時間で実験結果を予測可能な方法の確立を目指した。リグニンの b-O-4結合の光レドックス分解反応をモデル反応とし、数百種のモデル基質についてDFT計算を行い、BDEを算出した。また、50種のモデル基質を合成し、Ru(II)(bpy)3触媒存在下での光分解実験を行った。実験結果とDFT計算結果を用いて機械学習を行い、リグニン誘導体の光分解反応の予測を検討した。

コメント:この度は日本薬学会第144年会の学生優秀発表賞という名誉ある賞をいただき大変光栄に思います。ご指導いただいた佐藤特任助教をはじめ、共同研究者である杉山さん、日浅さんに心より感謝申し上げます。この賞を励みに、より一層研究活動に尽力していきたいと思います。

受賞した弦間さん

賞状

令和6年3月14日(木)~16日(土)、名古屋大学で開催された電気化学会第91回大会において、博士課程工学専攻1年の靖宇馨さんと工学部応用化学科4年の櫻井康聖さんが優秀学生講演賞を受賞しました。本賞は、電気化学分野の発展に資する優れた講演を行った学生に贈られるものです。(学年は令和6年3月現在)

博士課程工学専攻エネルギー物質科学コース1年 靖 宇馨さん

指導教員:奥崎秀典 工学部応用化学科 教授

受賞テーマ:「可溶性自己ドープ型PEDOTの電解重合とフレキシブルバイオセンサへの応用」

研究内容:側鎖にアルキルスルホン酸基を有する3,4-エチレンジオキシチオフェンを電解重合することで、400 S/cmを超える高い電気伝導度を有する可溶性自己ドープ型S-PEDOTを初めて合成した。さらに、ラインパターニング法を用いてS-PEDOT電極を形成し、フレキシブルなグルコースセンサを作製した。注射針の先端にグルコースセンサを巻き付けることで、採血と測定を同時に行う一体型素子を作製した。

コメント:この度は、電気化学会第91回大会(第74回化学センサ研究発表会)の優秀学生講演賞を頂き、大変光栄に思います。この栄誉ある賞を受賞できたのは、ご指導をいただいた奥崎先生をはじめ、サポートしてくださった研究室の先輩や後輩たち、皆様のお陰であると実感しています。この賞を励みとして、今後も可溶性自己ドープ型S-PEDOTをさらなる発展させることができるように取り組んでいきたいと思います。

工学部応用化学科4年 櫻井康聖さん

指導教員:奥崎秀典 工学部応用化学科 教授

受賞テーマ:「導電性高分子アルミ固体電解コンデンサの高耐電圧化」

研究内容:代表的な導電性高分子であるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(4-スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)のPEDOT側鎖にアルキル基を導入した新規PEDOT:PSS誘導体を化学酸化重合により合成した。アルキル側鎖が長いほど結晶化度や電気伝導度は低下し、キャリア移動度の減少に起因することを明らかにした。さらに、アルキルPEDOT:PSSを電極に用いることで、アルミ固体電解コンデンサの耐電圧を大幅に向上させることに成功した。

コメント:この度は、電気化学会第91回大会の優秀学生講演賞という名誉ある賞を頂き光栄に思います。指導教員である奥崎教授をはじめ、共同研究者の靖さん、日本ケミコンの河合様、浜田様、町田様に心より感謝申し上げます。これを励みに、コンデンサのさらなる高耐電圧化に向け、今後も研究に取り組んでいきたいと思います。

受賞した靖さん(左)と櫻井さん(右)

賞状

令和5年12月14日(木)~16日(土)、新潟県で開催された第24回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2023)において、工学部応用化学科4年の豊島柊希さん(指導教員:奥崎秀典工学域教授)が優秀講演賞を受賞しました。本賞は、研究発表を行った方の中から特に優れた発表者に贈られるものです。
受賞題目は「光で駆動する新規エラストマーアクチュエータの開発」で、非常に大きなエントロピー弾性(外部の力によって規則的に配列していた分子が、エントロピー増大則に従って元の不規則な状態へ戻ろうとする性質)を有するエラストマー材料(ゴムのように弾性をもつ柔らかい高分子の素材)を開発し、光で駆動する新規ソフトアクチュエータの開発に成功しました。

 

受賞した豊島さんは「この度は、SI2023優秀講演賞という名誉ある賞を頂き大変光栄に思います。指導教員である奥崎教授をはじめ、共同研究者の弦間さん、山口さん、靖さんに心より感謝いたします。これを励みに、今後もさらなる研究に取り組んでいきたいと思います」とコメントしています。

 

 


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昨年12月25日に、応用化学コース修士論文中間発表会が開催されました。修士課程での研究成果を修士1年生がポスターにまとめて発表し、応用化学コースの教員と活発なディスカッションを繰り広げました。
 
厳正な審査の下、その中でも特に素晴らしい発表を行った10名の学生を選出し、応用化学コース修士論文中間発表優秀賞を授与しました。(写真は令和6年1月22日に執り行われた表彰式の様子で、米山学科長、小幡教育主任より表彰状が授与されました。)
 
修士1年生はこれから就職活動などが始まり、社会へ羽ばたく第一歩を踏み出します。今回の修士論文中間発表会ではどの発表者も素晴らしい発表を行っていましたので、その実力を遺憾なく発揮し、社会にアピールして欲しいと思います。
 
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