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2021年10月情報一覧

 大学院博士課程工学専攻エネルギー物質科学コースの久保田恒喜さんが、2021年10月21日(木)・22日(金) に北九州市で開催された、第35回日本イオン交換研究発表会において優秀ポスター発表賞を受賞しました。
 日本イオン交換研究発表会は日本イオン交換学会により開催される年会で、昨年度の発表会が感染拡大のため今年度に延期となったものです。この賞は学生の発表のうち優秀な発表に贈られるもので、優秀ポスター発表賞は久保田さんを含め5名が、口頭発表賞は2名が受賞しました。
 久保田さんが受賞した発表は「焼成NH4形Y型ゼオライト蛍光体の発光機構の研究」と題し、比較的低温での加熱だけで明るい白色蛍光を発するNH4形Y型ゼオライトが、どのようにしてその光をもたらすかについて、様々な分析を行うことで明らかにしようとする研究の成果です。この研究により、より省資源で低コストな白色LEDを実現することができると期待されます。
 久保田さんは、「このような素晴らしい賞をいただき、大変光栄です。この賞を励みに今後も楽しく研究に取り組んでいきます。ご指導いただいた阪根先生、宮嶋先生に心から感謝申し上げます。」と述べています。
 
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個別進学相談会2021の開催について

 応用化学科では個別進学相談会2021を電話またはZoomを使って開催します。

 総合型選抜I入試や総合型選抜II入試を含めた応用化学科の入試や入学後の進路の相談、夏のWebオープンキャンパスに参加できず聞き逃した学科の情報について教員と電話またはZoomでお話できます(ただし入試問題の内容についてはお答え致しかねます)。

 開催日程は、9/17(金), 9/24(金), 10/1(金), 10/15(金), 10/29(金), 11/5(金), 11/12(金)の17:00-17:20, 17:20-17:40, 17:40-18:00です(1つの個別進学相談会の時間は20分)。

 1つの個別進学相談会には1名しか申し込めませんが、友達や先生・保護者と一緒に参加していただいても結構です。電話で複数の方と参加する場合はスピーカーフォンで話したり電話を回してください。

 お申し込みは次のウェブサイトから行ってください。

https://www.ocans.jp/yamanashi/schedule?fid=T16gTim2

 なお、枠が限られておりますので、1人で複数の予約を行うことはご遠慮ください。

 相談したいことがある方は奮ってご参加ください!

 本学応用化学科の佐藤玄特任助教(PI)・MEXT卓越研究員(兼任)・JSTさきがけ研究員(兼任)と、香港城市大學の松田侑大助教(PI)らのグループと東京大学大学院薬学系研究科の内山真伸教授らのグループとの国際共同研究の成果が2021年10月13日付けで米国化学会誌J. Am. Chem. Soc.誌に公開されました。

発表論文
掲載雑誌名: Journal of the American Chemical Society
論文タイトル: Theoretical Study on the Mechanism of Spirocyclization in Spiroviolene Biosynthesis
著者: Xingxing Wei, Taro Matsuyama, Hajime Sato,* Dexiu Yan, Pui Man Chan, Kazunori Miyamoto, Masanobu Uchiyama,* and Yudai Matsuda*
DOI: 10.1021/jacs.1c08336
論文へのリンクはこちら:https://dx.doi.org/10.1021/jacs.1c08336

研究発表の概要
 本論文は、カビ由来メロテルペノイド Setosusin 生合成におけるスピロフラン環形成反応に関する研究である。今回、香港城市大學のグループにより、スピロフラン環形成を触媒する酵素 SetF の同定・機能解析が行われた。また、緻密な標識実験により、複雑な転位反応が進行していることが明らかとなった。東京大学のグループと本学応用化学科の佐藤らによる DFT 計算の結果、Brevione T がエポキシ化された後は、酸性条件下でスピロフラン環形成反応が自発的に進行することが明らかとなった。さらに、酵素活性部位を探索してみると、プロトンドナーとなる Lys 残基の存在が明らかになり、実験的にも計算結果が支持された。天然物の構造多様化を考える上で、酸化酵素による複雑な骨格組換え反応は重要であるが、その反応機構解析は困難である。本研究では、実験科学と計算化学両面からのアプローチが酸化酵素の反応機構解析に極めて有効であることを示すことができた。

 本学応用化学科の佐藤研究室では、計算化学・有機合成化学・生化学の三つを柱として、天然物化合物の謎を解明する研究に取り組んでおります。このような研究に興味をお持ちの学部生・大学院生・研究員、共同研究希望者の方は、当研究室のHP も是非ご参照下さい。
佐藤研究室HP: https://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~hsato/index.html

 佐藤玄特任助教・MEXT卓越研究員(兼任)は、計算化学・理論化学的手法を用いて、ジテルペン天然物 spiroviolene 生合成におけるスピロ環形成反応機構を解明しました。本研究成果は、2021年10 月1日付で日本薬学会の刊行する Chem. Pharm. Bull. 誌のオンライン速報版に公開されました。また、研究内容が高く評価され、同機関誌の”Highlighted papers selected by Editor-in-Chief” 及び J-STAGE で紹介する ”Featured Article” に選出されました。

発表論文

掲載雑誌名: Chemical and Pharmaceutical Bulletin
論文タイトル: Theoretical Study on the Mechanism of Spirocyclization in Spiroviolene Biosynthesis 
著者: Hajime Sato,* Taisei Takagi, Kazunori Miyamoto, and Masanobu Uchiyama*
DOI: 10.1248/cpb.c21-00536
論文へのリンクはこちら:https://doi.org/10.1248/cpb.c21-00536

研究発表の概要

 佐藤特任助教と東京大学薬学系研究科の内山真伸教授らのグループは、計算化学的手法を用いて、ジテルペノイドspiroviolene の生合成反応機構を解明しました。Spiroviolene は、スピロ環を含む 5/5/5/5 の四環性骨格を持つことを特徴とします。テルペン/テルペノイドは、3級カルボカチオン、アリルカチオン、シクロプロピルカルビカチオンなど、複数の安定なカルボカチオン中間体を経て生合成されことが知られています。しかし、先行研究において、spiroviolene の生合成では一般的に不安定とされる 2 級カルボカチオンの生成が提案されていました。佐藤らは、DFT計算に基づいて、spiroviolene 骨格に至る 16 ステップの新しい反応経路を導き出すことに成功しました。この反応経路では、隣接するC–C結合を切断してより安定な 3 級カルボカチオンを形成し、Wagner-Meerwein 1,2-methyl rearrangementを行うことで、不安定な 2 級カルボカチオンの形成を回避しています。

 本学応用化学科の佐藤研究室では、計算化学・有機合成化学・生化学の三つを柱として、天然有機化合物の謎を解明する研究に取り組んでおります。このような研究に興味をお持ちの学部生・大学院生・研究員、共同研究希望者の方は、当研究室のHP も是非ご参照下さい。

佐藤研究室HP: https://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~hsato/index.html