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2019年情報一覧

一日体験化学教室

 

 令和元年12月22日(日)に一日体験化学教室を開催します。テーマと募集人数、応募方法については左のリンク(またはトップページのバナー)先をご覧ください。

 令和元年9月25日(水)から27日(金)に福井大学文京キャンパス(福井県福井市)で開催された第68回高分子討論会において、鈴木章泰工学部教授が2019年度高分子学会三菱ケミカル賞を受賞しました。

 本賞は、高分子科学に基礎をおき、技術、産業に寄与する独創的かつ優れた研究業績を挙げた研究者に授与されます。

 受賞題目は「炭酸ガスレーザー超音速延伸法によるナノファイバーの創製」です。炭酸ガスレーザーを用いた新規なナノファイバー作製法を確立し、ナノファイバー化のメカニズムを明らかにし、さらに、本方法が実用化可能であることを示したことが高く評価されての受賞となりました。

 受賞した鈴木教授は、「共に研究を進めた多くの学生諸君に心より感謝します。今後は、この研究成果を社会に還元するために、研究をさらに発展させたいと思います」とコメントしています。

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本学応用化学科の奥崎秀典教授が「夢ナビライブ2019」に登場しました。
夢ナビライブ『ソフトなロボットが未来を動かす!』は以下のURLでご覧いただけます。
https://yumenavi.info/lecture.aspx?GNKCD=g009443&ProId=WNF001&SerKbn=e&SearchMod=10&Page=1

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 令和元年6月7日に都内で開催された公益社団法人日本セラミックス協会・名誉会員推戴式、表彰式において、応用化学科の上野慎太郎准教授が「第73回(2018年度) 日本セラミックス協会 進歩賞」を受賞しました。「日本セラミックス協会 進歩賞」は、39歳以下のセラミックス研究に従事する研究者を対象として、セラミックスの科学・技術に関する学術上優秀な研究業績が認められた人物に授与されます。以下は上野准教授のコメントです。

 私の研究室では色々な機能を持つ金属酸化物(セラミックス)のナノ粒子、あるいは複数の材料を組み合わせた複合セラミックス粒子の合成を行っています。セラミックス材料を合成するには色々な方法がありますが、溶液法という金属イオンの溶液から低温で金属酸化物結晶を育てる方法では、結晶粒のサイズをナノ領域に留め、結晶粒の”カタチ”も操ることができます(写真参照)。このナノサイズ化や形状の制御、あるいは複合化によって、材料に新しい機能を付与したり、機能を向上させることもできます。

 今回受賞の対象となったのは、「高性能キャパシタのための金属/絶縁体複合セラミックスの創成」に関する一連の研究で、電子機器には必ず搭載されているセラミックコンデンサの高性能化を目的として、「熱に弱い卑金属」と「絶縁体セラミックス」から構成される複合コンデンサを溶液から作製する方法を確立しました。この成果では、通常1000℃前後の高温熱処理が必要になるプロセスを300℃以下の低温プロセスに置き換えることで卑金属との組み合わせが可能となり、溶液中の化学反応を巧みに利用してユニークな構造を作り込み、非常に高い比誘電率を示す複合キャパシタが作製できることを実証しました(写真参照)。耐熱性の低い材料とセラミックスとを複合化することができる本手法は、様々な応用展開が期待されます。

 “大学を目指す高校生の皆さん”、高校生の無機化学の勉強は味気なく感じるかも知れません。しかし、その先にある無機化学を利用した材料開発は、エネルギー、情報、環境、福祉などに関連する人類にとっても重要なわくわくする世界に繋がっています。無機材料であるセラミックスも、研究をしていると次々に不思議なことが起きたり、新しい発見があり魅力的な材料です。もし一緒に研究する機会があれば、この不思議で魅力的な材料に挑戦しましょう。

 最後に、この度は「日本セラミックス協会 進歩賞」という大変栄誉ある賞をいただき,誠に光栄に存じます。これからも新しいセラミックス材料開発に尽力していく所存です。また本研究を推進するにあたりまして、多くの方々にご支援、ご協力を賜りました。ご関係者の皆様にはこの場をお借り致しまして、深く御礼申し上げます。

 関連HP:http://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~sueno/index.htmlhttp://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~swada/lab/index.html

 Dr. Shintaro Ueno, an associate professor of Department of Applied Chemistry received the 73rd CerSJ (The Ceramic Society of Japan) Awards for advancements in ceramic science and technology on June 7th, 2019.

 The CerSJ Awards is presented to individuals in recognition of their contributions to the progress and growth of the ceramics industry, science, and technology, and their exceptional record.

 Dr. Ueno has been studying on fabrication of metal/insulator ceramics composite materials for high-performance capacitors and developed the original low-temperature process below 300oC to prepare composite ceramics containing low-heat-resistant materials. This low-temperature process would find wide variety of applications in development of composite ceramic materials.

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令和元年4月13日~14日に八ヶ岳自然の家において、令和元年度応用化学科新入生のオリエンテーションを実施しました。学生と教員の自己紹介や懇親会、グループワークを通してお互いの親睦を深めました。

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本学応用化学科の奥崎秀典教授によって開発された高い導電性を示す水溶性の導電性高分子
に関する記事が化学工業日報、山梨日日新聞の両紙に掲載されました。
(2019年5月2
0日).※記事のクリックで拡大が出ます。

奥崎研究室_化学工業日報.png

奥崎研究室_山梨日日新聞.png

 米国科学振興協会(AAAS)が発行するScienceの姉妹誌「Science Advances」に2019年4月12日(米国東部時間)、工学部応用化学科の奥崎秀典教授らの研究成果が掲載されました。有機エレクトロニクス材料の中で最も重要であると考えられている導電性高分子に関する革新的な研究成果です。

詳細は以下のリンクをご参照下さい。

20190424.pdf

化学グランプリ2019参加申し込みが始まりました。

化学グランプリは、日本全国の高校生以下の皆さんの化学の実力を競い合う場として1999年より毎年開催されており、今年も7月15日(月・祝日)の海の日に、山梨大学をはじめとする全国の会場で一次選考(マークシート式試験)が実施されます。

高校生以下の誰でも参加でき、費用は無料です。(一次選考会場への交通費のみ自己負担。)化学に興味のある生徒さんは、ぜひチャレンジしてください。

なお、山梨大学工学部応用化学科AO入試では、出願にあたって高校在学中に参加した化学グランプリの一次選考の成績を示すものを提出することが必須となります。

 

 平成31年3月16日(土)に東京都文京区にて開催された「日本顕微鏡学会関東支部第43回講演会」において、応用化学科4年の佐野雄一さん(京都産業大学附属高校出身、指導教員:山中淳二准教授)が「最優秀ポスター賞」を受賞しました。本賞はポスターセッションで優秀な研究発表を行った学生に授与され、その功績を称えるとともに今後の研究活動を奨励するものです。

以下は受賞した佐野さんのメッセージです。

 私は山梨大学に入学後、化学の勉強をすすめていく過程で結晶工学に興味をもちました。現在、私はクリスタル科学研究センターの有元・原研究グループとの共同研究メンバーとして、結晶格子を歪ませたSiに関する研究に指導教員とともに参画し、特に透過電子顕微鏡を用いた構造評価に関する研究を行っています。今回受賞した研究は「Si(110)基板上に成長したSiGe混晶半導体の高分解能TEM観察」です。格子を歪ませたSi(歪Si)中ではキャリア(電子や正孔)の見かけの質量が軽くなり、この結果キャリアが高い移動度を示すことが知られていますが、その歪Siを成長させるために重要な疑似基板を作製するための基礎研究です。

 はじめての学会発表でしたが、このような賞を受賞できて大変驚いています。研究室では、普段から装置の性能維持のための作業や故障対応も手伝ったりしています。こうした作業を通して透過電子顕微鏡の構造を理解しながら実験してきたことが、よい成果を発表することに繋がったと思い、大変うれしく思います。今後は大学院修士課程に進学する予定です。本研究の中で新たに湧いた疑問点に対して、地道な実験を続けて学問的な解を得たいと考えています。

(※写真 左:授賞式の後に学会会場で。右:普段からよく使用している透過電子顕微鏡)

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 平成31年3月16日(土)から19日(火)に甲南大学岡本キャンパス(兵庫県神戸市)で開催された日本化学会第99回春季年会において、谷和江工学部准教授が化学普及活動功労者表彰を受賞しました。

 本賞は、地域における継続的な化学普及活動への取組みにおいて功績があると認められた方に授与されます。

 谷准教授は、日本化学会関東支部共催の「理科教員のための化学実験」において、10年にわたって運営委員ならびに講師をつとめ、山梨県の理科教員に対する化学実験の普及活動に多大なる貢献を行ったことが評価されての受賞となりました。

 谷准教授は、「理科教員のための化学実験は、高校生の理科離れが騒がれていた時に、何かそれを止める方法はないものかと考え、企画したものです。オープンキャンパスのアンケートで、高校生が進学を考える際に一番影響を受けるのは高校の先生だと知り、それなら、理科の先生方に化学実験に親しんでもらい、学生実験の楽しかった化学実験を思い出してもらって、その気持ちを高校に持ち帰ってもらえたら、何かいいことが起こるのではないかと考えたからです。いい結果が出ているのかは分かりませんが、何とかこれまで続けてこられたのは、多くの方々のお蔭と思っております。この場をお借りして、ご参加くださった山梨県、長野県、静岡県の高校の先生方、快く化学実験室の使用をお認めくださった応用化学科の先生方、ご協力くださった小泉均先生、橘正樹先生、研究室の卒業生というだけで、毎回参加を強いられた甲府南高校の水谷繁先生、たびたび参加を強いられた都留興譲館高校の森澤公美子先生に、厚く御礼申し上げます」と述べています。

 日本化学会第99回春季年会HP:http://www.csj.jp/nenkai/99haru/index.html

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 2019年3月4日(月)に、甲府キャンパス大村智記念学術館において平成30年度山梨県分析化学交流会を開催しました。前回から7年ぶり5回目となる今回の開催は、日本分析化学会関東支部支部長の早下隆士上智大学教授をはじめ分析化学分野の本学名誉教授、大学関係者、学生、企業関係者など総勢28名が参加しました。

 交流会では、本学大学院総合研究部の教員3名から、次の講演がありました。

1)「小型試料前処理デバイスを用いる揮発性有機化合物の高感度分析」植田郁生工学域助教

2)「マイクロ流体工学を基盤とする免疫測定技術の開発」浮田芳昭工学域助教

3)「LEDを光源に用いる簡易な分析装置の開発」鈴木保任生命環境学域准教授

 ここでは、従来技術に比べて安価で簡便、かつ高感度な分析技術の開発に関する研究成果について紹介があり、産業化された技術や自治体の環境分析法に採用された技術、今後の発展が大いに期待される技術や測定法など、最先端の分析化学技術に関する話題に終始活発な議論が行われました。その後の情報交換会では、今後の分析化学交流会の有り方など様々な意見交換が行われて有意義な交流会となりました。

 また、交流会に参加された早下教授が、大村智記念学術館の1万人目の来館者となり、杉山理事より記念品が贈呈され、これも思い出に残る交流会の一ページとなりました。

 

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平成30年度山梨県分析化学交流会の様子

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平成30年度山梨県分析化学交流会の集合写真

修士課程1年の榎並裕介さん、高橋正樹助教、小幡誠准教授の論文が、英国王立化学会誌「New Journal of Chemistry」2019年43巻8号に掲載され、研究成果を表すデザイン画が同誌back cover (裏表紙) に選出されました。これは、今回の研究成果の新規性及び発展性が高く評価され、採択されたものです。

 

著者らの論文の内容は、複数の色の光が混ざってできる白色発光を、一種類の有機蛍光色素とフッ化物の混合物のみから生みだすことに成功したというものです。通常の有機蛍光色素は一つの色素で一つの色の光しか生み出さないと考えられており、この常識を覆す興味深い現象であると言えます。この技術により有機EL照明や有機ELディスプレーなどに使用される複雑な構造を持つ発光デバイスの作成を大幅に簡略化、低コスト化できる可能性があります。

 

榎並さんのコメント:

自分が行った研究が注目され、雑誌の裏表紙に選ばれたことは非常に嬉しく思います。先生方をはじめ研究に協力していただいた多くの方々に心より感謝申し上げます。今後もより一層研究に励みたいと思います。

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