平成30年11月15日(木)から16日(金)、神奈川県川崎市にて開催された「第38回エレクトロセラミックス研究討論会」において、応用化学コースに所属する修士課程2年の相澤朋弥さん(山梨県立吉田高校出身、指導教員:和田智志教授)が「研究奨励賞」を受賞しました。本賞は優秀な研究発表を行った学生に授与され、その功績を称えるとともに今後の研究活動を奨励するものです。
以下は受賞した相澤さんのメッセージです。
私は山梨大学に入学して最初に無機化学に興味をもちました。無機化学の授業では基礎から実践的な応用まで学ぶことができました。特にインクジェットプリンターやウェアラブル端末に用いられている圧電体セラミックスに興味を持ち、これに関連する研究をしたいと考え現在の研究室に入りました。
現在、私は環境に配慮し、かつ特性の高い圧電体材料の開発を行っています。今回受賞した研究は「BiFeO3系圧電セラミックスの焼結条件の検討と物性評価」で、様々な酸素分圧下でセラミックスを焼結した際に圧電特性にどのような変化が起こるのかを調査したものです。結果として窒素中で焼結したセラミックスの特性が最も高かったのですが、温度を上げると結晶中の”欠陥”の存在によりリーク電流が増加してしまうことが示唆されました。今後は作製時の欠陥生成を抑制して特性を改善していく予定です。
また研究室では学会などに参加し、企業の方や他大学の先生と研究について議論するという経験ができました。そういった中で私は研究室で学んだ知識を社会で活かしたいと考え電子セラミックスの企業に就職することを決めました。今後山梨大学で学んできたことを活かして社会で活躍していきたいと思います。
(※写真 左:表彰式にて研究室の仲間と、右:研究室で作製した圧電セラミックス ー焼結後は黒に変色し収縮する)