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佐藤玄特任助教と香港城市大との国際共同研究の成果が J. Am. Chem. Soc. 誌に掲載されました

 本学応用化学科の佐藤玄特任助教(PI)・MEXT卓越研究員(兼任)・JSTさきがけ研究員(兼任)と、香港城市大學の松田侑大助教(PI)らのグループと東京大学大学院薬学系研究科の内山真伸教授らのグループとの国際共同研究の成果が2021年10月13日付けで米国化学会誌J. Am. Chem. Soc.誌に公開されました。

発表論文
掲載雑誌名: Journal of the American Chemical Society
論文タイトル: Theoretical Study on the Mechanism of Spirocyclization in Spiroviolene Biosynthesis
著者: Xingxing Wei, Taro Matsuyama, Hajime Sato,* Dexiu Yan, Pui Man Chan, Kazunori Miyamoto, Masanobu Uchiyama,* and Yudai Matsuda*
DOI: 10.1021/jacs.1c08336
論文へのリンクはこちら:https://dx.doi.org/10.1021/jacs.1c08336

研究発表の概要
 本論文は、カビ由来メロテルペノイド Setosusin 生合成におけるスピロフラン環形成反応に関する研究である。今回、香港城市大學のグループにより、スピロフラン環形成を触媒する酵素 SetF の同定・機能解析が行われた。また、緻密な標識実験により、複雑な転位反応が進行していることが明らかとなった。東京大学のグループと本学応用化学科の佐藤らによる DFT 計算の結果、Brevione T がエポキシ化された後は、酸性条件下でスピロフラン環形成反応が自発的に進行することが明らかとなった。さらに、酵素活性部位を探索してみると、プロトンドナーとなる Lys 残基の存在が明らかになり、実験的にも計算結果が支持された。天然物の構造多様化を考える上で、酸化酵素による複雑な骨格組換え反応は重要であるが、その反応機構解析は困難である。本研究では、実験科学と計算化学両面からのアプローチが酸化酵素の反応機構解析に極めて有効であることを示すことができた。

 本学応用化学科の佐藤研究室では、計算化学・有機合成化学・生化学の三つを柱として、天然物化合物の謎を解明する研究に取り組んでおります。このような研究に興味をお持ちの学部生・大学院生・研究員、共同研究希望者の方は、当研究室のHP も是非ご参照下さい。
佐藤研究室HP: https://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~hsato/index.html