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 令和5年12月14日(木)~16日(土)、新潟県で開催された第24回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2023)において、工学部応用化学科4年の豊島柊希さん(指導教員:奥崎秀典工学域教授)が優秀講演賞を受賞しました。本賞は、研究発表を行った方の中から特に優れた発表者に贈られるものです。
 受賞題目は「光で駆動する新規エラストマーアクチュエータの開発」で、非常に大きなエントロピー弾性(外部の力によって規則的に配列していた分子が、エントロピー増大則に従って元の不規則な状態へ戻ろうとする性質)を有するエラストマー材料(ゴムのように弾性をもつ柔らかい高分子の素材)を開発し、光で駆動する新規ソフトアクチュエータの開発に成功しました。

 

 受賞した豊島さんは「この度は、SI2023優秀講演賞という名誉ある賞を頂き大変光栄に思います。指導教員である奥崎教授をはじめ、共同研究者の弦間さん、山口さん、靖さんに心より感謝いたします。これを励みに、今後もさらなる研究に取り組んでいきたいと思います」とコメントしています。

 

 


豊島柊希.JPG

 

 

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昨年12月25日に、応用化学コース修士論文中間発表会が開催されました。修士課程での研究成果を修士1年生がポスターにまとめて発表し、応用化学コースの教員と活発なディスカッションを繰り広げました。
 
厳正な審査の下、その中でも特に素晴らしい発表を行った10名の学生を選出し、応用化学コース修士論文中間発表優秀賞を授与しました。(写真は令和6年1月22日に執り行われた表彰式の様子で、米山学科長、小幡教育主任より表彰状が授与されました。)
 
修士1年生はこれから就職活動などが始まり、社会へ羽ばたく第一歩を踏み出します。今回の修士論文中間発表会ではどの発表者も素晴らしい発表を行っていましたので、その実力を遺憾なく発揮し、社会にアピールして欲しいと思います。
 
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令和5年10月28日(土)から30日(月)に、千葉大学(千葉県千葉市)で開催された「第67回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会」において、工学専攻応用化学コース修士課程1年の中野萌恵さん(指導教員:佐藤玄特任助教)が、同学会の口頭発表にて「ベストプレゼンテーション賞」を受賞しました。本賞は、口頭発表を行った40歳以下の若手研究者の中から特に優れた発表を行った者に授与され、その功績を称えるとともに研究の更なる発展を奨励するものです。
 
受賞対象となった研究題目は「Variexenol生合成における反応経路の分岐メカニズムとプレニル側鎖による2級カルボカチオンの安定化の解明」で、DFT 計算を用いたテルペン生合成の反応機構解析の成果について報告しました。本研究成果により今後の酵素エンジニアリングや香料・医薬品の発酵生産技術の改良に繋がることが期待されます。
 
受賞した中野さんは、「この度はベストプレゼンテーション賞を受賞できたことを大変光栄に思います。ご指導していただいた佐藤特任助教をはじめ、研究室の皆様に深く感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、一層研究活動に尽力していきたいと思います。」と述べています。
 
受賞者一覧:
http://www.teac-office.jp/commendation.html
 
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工学部改組に伴い、令和6年度以降の入試について選抜方法に変更があります。

下記リンクより受験情報をご確認ください。

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高大化学系教員懇談会

7月29日(土)、甲府キャンパスにおいて高大化学系教員懇談会を行いました。懇談会には、県内高校の化学系教員14名と本学応用化学科及び関連センターの教員9名の23名が参加しました。

話題は、令和6年度に予定している工学部改組や入試、来週8月5日に開催を予定しているオープンキャンパスと一日体験入学の紹介の他、高校の学習指導要領の変更と大学授業への接続など多岐にわたり、様々な情報交換・意見交換が行われて有意義な懇談会となりました。

2023.07.29.高大連携懇談会.jpeg

 

化学グランプリ2023一次選考会

7月17日(月・祝)に本学甲府キャンパスにて「化学グランプリ2023」(※)を実施しました。化学グランプリは、全国の高校生以下の皆さんの化学の実力を競う大会として、1999年から毎年海の日に全国の会場で一次選考が実施されています。今年度は66箇所の会場で3000名を超える参加者があり、4年ぶりの対面での開催となりました。当日は38度を超える酷暑の中、県内の高校生約80名が本学甲府キャンパスに集結しました。会場は緊張感に包まれ、参加者は真剣に問題を解いていました。全国からの成績優秀者上位80名が8月下旬に開催される実験を伴う二次試験へ進み、総合得点上位から金賞、銀賞、銅賞が授与されます。

この大会は国際化学オリンピックの代表候補選抜も兼ねており、高校1、2年生の中から数名が候補者として選抜されます。今年の国際オリンピックは、7月16日(日)〜25日(火)の日程でスイス・チューリッヒにて開催されます。今年の候補者は4名で、16日にスイスに向けて旅立ちました。山梨県内の高校生からも国際化学オリンピックへ出場する高校生が出ることを願っています。

 

化学グランプリHP

https://gp.csj.jp/next/

 

応用化学科では、受験生の皆様が入学後の学生生活に関してイメージを膨らませられるよう、令和5年6月10日(土)に行う3年次編入学試験終了後に、「研究室・実験室見学ツアー」を企画しています。 

参加する受験生は、各自の試験後に所定の教室に集まっていただきます。全ての試験が終了した後に、1~2つの研究室と本学科の学部3年生が学生実験で使用する化学実験室を教員が案内します。本ツアーの所要時間は30~40分程度を予定しており、試験当日はツアーに参加しても全てのスケジュールを12:30より前に終了する予定です。 

見学ツアーへの参加は自由であり、入試の合否に影響はありません。参加希望者は試験当日に確認を行いますので、事前に申し込みをしていただく必要はありません。興味がありましたら是非ご参加ください。

佐藤玄特任助教が JAICI 賞を受賞

応用化学科の佐藤玄特任助教が、一般社団法人化学情報協会から JAICI 賞を受賞しました。
 
今回の受賞に関して佐藤特任助教は「このような栄誉ある賞を受賞することができ大変光栄に思います。歴代の受賞者の先生方に追いつけるよう、今後も一層研究活動に精進して参りたいと思います。また、これまで一緒に研究に取り組んでくれた共同研究者の先生方・学生達にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。」と述べております。


JAICI賞進呈のお知らせ(2023年4月)
https://www.jaici.or.jp/news/info/2023/2023-4-13/

令和4年12月14日(水)~16日(金)、幕張メッセ国際会議場で開催された 第23回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2022)において、大学院修士課程工学専攻応用化学コースと工学部応用化学科の学生が優秀講演賞を受賞しました。受賞者は以下のとおりです。

 

○大学院修士課程工学専攻応用化学コース2年 山口直人さん

指導教員:奥崎秀典 工学部応用化学科教授

受賞テーマ:「エントロピー弾性で駆動する新規エラストマーアクチュエータ」

研究内容:熱可塑性エラストマーの低温における優れたエントロピー弾性発現のメカニズムを解明するとともに、ヒートエンジンの作製に成功した。

コメント:この度は、SI2022優秀講演賞という名誉ある賞を頂き大変嬉しく思います。指導教員である奥崎教授をはじめ、研究をサポートしてくださった研究室のメンバー皆様のおかげであると感じています。この賞を励みとして、今後もさらなる研究の発展にむけて尽力していきます。

 

○工学部応用化学科4年 松下可那子さん

指導教員:奥崎秀典 工学部応用化学科教授

受賞テーマ:「熱転写法によるPEDOT:PSS電極の作製とフレキシブルセンサへの応用」

研究内容:溶媒を用いずに導電性高分子の電極形成可能な熱転写法を新たに開発し、フレキシブルセンサの大面積化と高性能化に成功した。

コメント:この度は、SI2022優秀講演賞という名誉ある賞を頂き大変光栄に思います。指導教員である奥崎教授をはじめ、共同研究者の古山さんや梁さんに心より感謝いたします。今後も研究に真摯に取り組み、励んでいきたいと思います。

 

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受賞した山口さん(左)と松下さん(右)

  広島大学大学院先進理工系科学研究科のキム·サンウク助教、黒岩芳弘教授、九州大学大学院工学研究院の大学院生宮内隆輝氏(研究当時)、佐藤幸生准教授、山梨大学大学院総合研究部の研究員ナム·ヒョンウク博士、藤井一郎准教授、上野慎太郎准教授、和田智志教授からなる共同研究グループは、優れた強誘電性と圧電性をもつ非鉛系圧電セラミックス材料の合成に成功しました。スマートフォンや自動車などの電子機器に用いられている圧電素子には、長年にわたり鉛を含む圧電材料が使用されてきました。今回、合成に成功した材料は鉛を含まないために、環境にやさしい圧電材料として期待できます。SPring-8での放射光X線回折実験(SR-XRD)と高分解能透過型電子顕微鏡観察(TEM)により鉛を含まなくても優れた圧電特性が得られる新しいメカニズムを解明しました。

大学プレスリリースはこちら

  強誘電性を示す圧電材料の圧電特性は、結晶の単位構造由来の本質的寄与と強誘電分域(ドメイン)等由来の非本質的寄与により発現します。一般に、本質的な寄与分 を除いたすべての寄与分が一括りに非本質的な寄与によるものと考えられてきました。

  チタン酸バリウム(BaTiO3:BT)とビスマスフェライト(BiFeO3:BF)を固溶させてセラミックスを合成したところ、特定化学組成で立方晶に見えるにもかかわらず、優れた強誘電性を示すことを発見しました。また、従来の鉛を含むチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3:PZT)に匹敵する圧電性を示すことも発見しました。

  電場印加下での構造解析の結果、ペロブスカイト型構造のAサイトを占めるバリウム(Ba)イオンとビスマス(Bi)イオンのうち、Bi イオンが理想的な原子位置を占める Ba イオンの位置から少しずれた乱れた原子位置を占め、局所的に強誘電性を示すナノドメインを形成することを明らかにしました(図1)。このナノドメインは、電場を印加することで電場方向に整列させることが可能です。このように、非本質的な寄与の一つとしてナノドメインからの寄与というものがあり、この寄与の分を大きくすることで鉛を含まなくても優れた特性をもつ圧電材料をデザインすることができるという新しい材料設計の指針を示しました。

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図1 BiFeO3-BaTiO3セラミックスにおけるナノドメインの形成

  本研究成果は材料分野で著名な国際誌である「Advanced Materials」のオンライン版に2023年2月6日付で掲載されました。https://doi.org/10.1002/adma.202208717