応用化学コース 山本結生 助教と修士課程1年 可児玲大さんの研究が米国化学会誌 The Journal of Organic Chemistryに掲載され、Front Coverに採用されました。
本研究では、空気および湿気に安定なテトラフェニルジホスフィンジスルフィドをリン源として用いることにより、従来その達成が困難とされてきたパラジウム触媒による末端アルキンの完全位置・立体選択的なE体選択的ビスホスフィン化反応の開発に成功しました。
開発した手法は優れた原子効率と卓越した触媒活性を示しており、本論文では詳細な反応機構や分子変換への応用についても明らかとしました。本研究は、希少なリン資源を余すことなく活用できる環境に優しい有機合成法の開発に貢献することが期待されます。
【掲載誌】J. Org. Chem. 2025, 90, 48, 17005–17014
【題目】Palladium-Catalyzed Complete Regio- and Stereoselective Vicinal trans-Bisphosphination of Terminal Alkynes with Air- and Moisture-Stable Diphosphine Disulfides
【著者】Yuki Yamamoto*, Reiya Kani